昔”コピーライターの神様”といわれる仲畑貴志さんが「どんなに日本人が頑張っても海外のクリエーターには、絶対に勝てない。彼らは、ごく僅かしか存在しないけど、想像できないレベルでとんでもないクリエイティブを考えるヤツらがいる。」と言っていた。
広告クリエイティブとアート作品はまた別モノだけれど、ロサンゼルスでは街中のいたるところに様々なアート作品が展示され、アーティストも身近にたくさんいる。そんな環境で育てば、自ずと感性や美意識は高くなる。それに異なる価値観を持つ人々で溢れる環境で育ったら、創造力に限界はなくなり、今まで誰も見た事がない、人々を魅了する新しい作品が生まれる確率は高いなと、漠然と思ってしまった。
実際に私がAirbnbでお世話になったホストのRubinさんもアーティストとして生計を立てていた。日本では絵描きの友人は1人もいなかったから、毎朝早くから絵を描いている様子を見て感心してしまったくらい。
それにアートは単に見て楽しむだけでなく、ホームレスが多いロサンゼルスの治安向上にもつながっているらしい。アートには犯罪を抑制するチカラもあるんだとか。
またアートを体感できる環境だけでなく、若いアーティストの育成にも力をいれている。15-17歳の優秀な若手アーティストによる写真や絵画の展示会イベントは大盛況。きちんと彼らが自分でプレゼンをし、周りから評価されることで、より成長できる機会を提供している団体がある。
現代アートは解釈が難しく、私も正直全然わからないけれど、「コレが正解」という答えがないアートの世界は、単に絵を書いたり、著名な作品を覚える日本の教育カリキュラムとは違う方法で、アメリカの学校教育に取り入れられている。アメリカの学校では、度々美術館に出向き、その中から作品を選んで、その作品の背景や作者について調べ、自分はどう感じたか、なぜそれを選んだかをプレゼンするらしい。それらは、自分は何が好きか嫌いかを認識させ、自分の意見を持ち尊重させる自己形成に役立っているらしい。
日本にも無料のミュージアムはあるけれど、著名な作品が展示されている美術館は有料なところが多く、期間展示が変わるたび行けるほどの気軽さはない。日本でも本物のアートに気軽に触れることができるような場所が増えたらいいなと本気で思う。
前置きが長くなりましたが、ロサンゼルスのオススメの無料ミュージアムを紹介します。
①THE BROAD(要事前予約)
ザ・ブロードは、ダウンタウンにあり、アクセスしやすく、著名なアーティストの作品を多く所有するため、行った中では、1番人気のミュージアム。アンディー・ウォーホール、ロイ・リキテンスタイン、草間彌生、ジェフ・クーンズ、キース・ヘリングなどコンテンポラリーアート作品を観ることができる。予約なしの当日券でも入場できるけれど、列に並ぶ必要があるため、事前予約がオススメ。
221 S Grand Ave, Los Angeles, CA 90012,
②THE MARCIANO ART FOUNDATION (要事前予約)
こちらもザ・ブロードと同じ作者の作品展示が多い割に、周囲に観光スポットが少ないため、空いている。ゆっくり鑑賞したい人にオススメ。草間彌生の期間展は大人気。
4357 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90010,
③Fowler Museum
アフリカ、アジア、大西洋、アメリカの文化を中心とした文化や現代アートを展示している。砂浜が敷きつめられた鑑賞室もある。ファウラー美術館は、UCLAの校内にあり、校内には彫刻も複数あるし、また天文学部や芸術学部の研究室が保有する一部屋サイズのミニミュージアムもあるので、UCLAを散歩しがてら、立ち寄るのにオススメ。
308 Charles E Young Dr N, Los Angeles, CA 90024,
④Getty Center
ゲッティセンターの中にあるJ・ポール・ゲッティ・ミュージアム は、古典ヨーロッパアートを中心に様々な時代やタイプのアートが展示されている。丘の上にあり、ロサンゼルスの街並みを眺めることもできる。広大な敷地に手入れされた庭園もあるため、アート好きでなくても行くだけ価値あり。
1200 Getty Center Dr, Los Angeles, CA 90049,
⑤Hammer museum
現代アートの他、モネ、マネ、ゴッホ、ゴーギャン、レンブラント、セザンヌなどなど有名画家の絵が常設されている。大きくはないけれど、ロサンゼルスに長期滞在するなら、一度は行ってもいいかも。
10899 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90024,
⑥Venice Beach
ミュージアムではないけれど、ヴェニス ビーチ沿いには、様々なアーティストが自分の作品を路面販売している。結構変わった作品もあるので、自分のお気に入りを見つけて、お土産にしたい人にオススメ。
その他、ミュージアムではないけれど、カルフォルニアサイエンスセンターや隣の自然博物館も無料なので小学生くらいまでのお子さんと家族で行く時はオススメ。※大人の私も十分、楽しめましたけど(笑。
700 Exposition Park Dr, Los Angeles, CA 90037,
有料かつ子供にはオススメできないけれど、museum of death(死の博物館)という変わったミュージアムもあり、探したら他にももっと個性的なミュージアムがあるかもしれない。とにかくミュージアムがたくさんあるので、アート好きにはたまらない街だ。
ミュージアムは観るだけでなく、その裏にあるアーティストの思いやストーリーを知ることで、世界や文化やその世代を知ることができる。これらに刺激をつけつつ、次につなげられればと思う。