人種差別と国境を越える音楽

約2ヶ月ちょっとのアメリカ生活での締めくくりのテーマ。人種差別は、とても重いテーマなので、知識もなく歴史も知らない私が、このことについて書ことは、抵抗があるけれど、今後の活動の大切な経験となったので、何を感じたかを記しておきたいと思う。

はじめにこれから留学する人が心配しないよう伝えておくと、アメリカで通っていた語学学校は、国際色豊かなので、生徒同士で考え方の違いはあっても、学内で人種差別を感じることはなかった。それにサンフランシスコでは、日系企業が多いためか親日家も多く、積極的に声をかけられるくらい学外でも人種差別を感じることはなかった。

しかし恐らくたまたまの巡り合わせで、ロサンゼルスに移動してから、ビジネスの場やスーパーで、明らかに差別に合うことがあった。私のパーソナリティで差別されるならともかく、見た目がアジア人というだけで、明らかにバカにされるような事を言われたり、話しかけても口をきいてもらえなかったり、すごく簡単な英語なのに通じないフリをされたり。本当に一部の心無い人の対応によって、本当に傷ついてしまった。(※ほとんどは優しい親切な人達で、極々わずかな人です。)

私は肌の色で言えば、黒人の方から差別されることが多かった。最初は腹も立ったし、すごく悲しい気分にもなったけれど、その人達が、他の人から心無い冷たい対応をされている現場を見てしまった。仲良くなった黒人の友人もアメリカで黒人差別は消えることなく、未だに根強く残っていると言っていた。結局、私が差別されたのは、負の連鎖の結果だったのかな？

アメリカは、多国籍なので肌の色や宗教、文化、考え方や思想が異なる人達が、本当にすぐ隣同士にいる環境。なのに、お互いの違いを尊重し共存するのではなく、蔑み、傷つけ合っていた。それを「言論の自由」と言う人もいるけれど、同じ空気を吸い、ご飯を食べ、眠り、生と死がある人間であるにもかかわらず、見た目で排除する必要があるのか、全く理解できなかった。ただ、ここで私の考えを押し付けること自体も、間違っているようにも思う。

人種差別は、少し考えたくらいでは到底解決される問題ではなく、悶々とした気持ちを抱えたロサンゼルスでの生活を救ってくれたのは、音楽だった。

きっかけはONE OK ROCKのライブ告知ポスター。TOYOTAや HONDA、NISSANのクルマは毎日見かけても、日本をはじめアジア圏のアーティストを見ることは、ロサンゼルスではまだまだ少ない。だからこそ、アメリカやヨーロッパ、グローバルで挑戦し続ける彼らを本当にすごいと思ったし、日本で、彼らのライブに行ったことがなかったので、行ってみたくなった。

ライブ直前、彼らの曲を２曲くらいしか知らなかったので改めて曲を聴いてみると「Stand Out Fit In」という曲を聴いて、思わず泣いてしまった。MV含めて自分が、まさに経験した環境にとても合致していた。よくわからない差別によってコミュニケーション手段を失い、一時的にショックを受け、やりたかったことができなくて、もがいてた時に自分らしくやろうと勇気をくれた曲。