「ハリウッド映画」って言葉があるくらいソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントをはじめ大手映画会社の本社や撮影スタジオがロサンゼルスにあるのはご存知の方も多いはず。それに加え、最近はNetflix やHuluなどの動画配信の会社の本社もロサンゼルスにある。ちなみに最近発表のあったApple TV+や、YouTubeの本社もカルフォルニア州にあり、カルフォルニア州は、映像、動画領域において世界レベルで中心的な都市だと思う。
ハリウッドエリアには、映像学校や脚本家学校、俳優学校の他、スタイリストやヘアメイク(特殊メイク)の学校も多数あり、将来エンタメの道に進むのであれば、一度、見てみても損はないのでは?と思う。私が通う語学学校にも日本でドラマ関係のスタイリストをしていて、英語の勉強をしにきていた子がいた。
俳優の方は、個人的にあまり興味がなかったが、ルームメイトがスペインで女優をしているので、ハリウッドのオーディションサイトを調べたところ、ドラマ、映画、ミュージックビデオなど、何かしらのオーディションが毎日開催されていた。学生ビザではなく、就業可能なビザ*が必要なものの、どこかの事務所に所属していなくても受けることができるオーディションが複数あるので、アジア人枠でチャンスがあるかも!?
ハリウッド産業について知ることは、ロサンゼルス訪問の目的の1つだったので、オーディション会場への潜入はさすがに無理があるため、キャスティング会社による脚本コンテストをのぞいてみた。チケットも売り切れで、プレミアメンバー向けだったけれど、”日本から来た”アピールが功を奏したのか、主催会社に連絡したら、見せてもらえることができた。
こちらはピッチ方式で、脚本家はいいシナリオさえ書ければいいのでは?と思っていたけれど、プレゼン力もかなり問われる様子だった。脚本家は言葉を扱う職業なので話が上手いのかもしれないけれど、脚本によって製作予算が決まることもしばしばなので、プロデューサーでなくても脚本家もプレゼン力が問われて当然なのかもしれない。
今回のイベントは、他のテーマもあったため、脚本家以外にも俳優の卵の方々もきていた。審査側としてプロデューサーや映画監督の方など様々な方がきていた。やはりココでもセルフアプローチは必須!ネットワーキングタイムになると自分が監督や制作に関わった映像をお偉い方々にスマホで見せて、次の仕事を得ようとしている人たちもチラホラ。黙っていては、誰もみてくれない世界。日本でも映像の仕事は「しかるべき場所に顔を出して、コミュニケーションをとることが次の仕事につながる」と聞いたことがある。もちろん技術力も必要だが、ここロサンゼルスも仕事を得るためにはコミュニケーション力が求められる。ビジネスの世界で挑戦したいなら、英語スキルはある程度つけてからでないと厳しそうな印象だった。
また映像産業と市民との距離も近く、映画会社のスタジオツアーは観光化されているし、街中のいたるところに新作ドラマや映画の看板が、所狭しと並んでいる。
PaleyFestという、ドラマの監督やキャストを呼んだパネルディスカッション(日本でいう舞台挨拶に少し近い)も頻繁に開催されている。
私は「THIS IS US」という日本でもNHKの他、YouTubeやAmazon Primeでみることができるドラマのシーズン4の公開直前PaleyFestに参加。私がお世話になったAirbnbのカップルもTHIS IS USをみているらしく、結構人気があるドラマらしい。
最初の30分は、キャスト含め全員で第1話を鑑賞。そのあと監督や各キャストが次のシーズンの見どころを語ったり、本音トークゲームをしたり、参加者からの質問に答えたり、全体で2時間半くらいのプログラムだった。俳優陣はジョークを言ったり、即興劇をしたり、すごく気さくでサービス精神旺盛。直接的なファンとの交流をすごく大事にしている印象だった。
ドルビーシアターは、有名なチャイニーズシアターの横にあり、観光地のど真ん中にあるが、PaleyFestは、会話の内容から地元の人たちがみにきている感じだった。私は行ってから知ったけれど、行くなら渡米前にどんなPaleyFestがあるかチェックしておいた方が効率的かも。ちなみに動画サイトでも当日の様子を見ることが可能。
GET PALEYTV |
Dolby Theatre |
6801 Hollywood Blvd. Hollywood, CA 90028 |
せっかくなので、もう少し制作面や最新のトレンドなどについても勉強してくればよかったなぁと反省しつつ、映画やドラマ好き、もしくは映像や動画関係の仕事をしているならロサンゼルスはオススメ。映像系の学校も、全く英語ができない日本人向けの映像学校もあれば、やや英語ができる人向けに英語と映像の両方が学べる学校があったりするので安心。
個人的には観光ビザで通学可能なKings Education の4週間か12週間のバケーションフィルムコースが気になる。語学学校の1つのプログラムだけれど、実際にハリウッドで働いている方が講師となり、12週間で映像2本をつくれるらしい。しかも学生ビザで一定以上の成績なら、ニューヨークのフィルムアカデミーにも転校可能だとか。立地がよいため普通の語学学校よりもやや高めだけれど、英語中級レベルの方にオススメ。
ちなみに私が通っていた語学学校でも、何でもよく動画で紹介をしていた。そこで私も同級生向けに日本の激安お寿司を紹介するため、回転寿司の動画作ってみた。クオリティはおいといて、30分もあれば、スマホのアプリで、パッパと編集できる時代。これから映像・動画系の活用は、5G通信も始まって、どんどん進化していきそう。