私は、約12年間勤めたマーケティング会社を19年1月に退職し、東京都渋谷区から地元の静岡県湖西市に戻り、起業のため単身サンフランシスコとロサンゼルスへ2ヶ月半ほど渡米しました。その後、現在は、隣町の浜松市西区にある「弁天島」というところで、8/18(日)に開催される花火フェスGATEWAY Festival の実行委員長補佐(兼)コミュニケーションデザイナーとして、社会人時代以上に寝る間も惜しんで、日々奔走しています。
GATEWAY Festival https://party-channel.com/archives/19699
(1)会社を辞めてからについて
はじめに、GATEWAY Festival の活動は、ボランティアであり、未だに無職です。
しかも退職時は起業を目指し「夢追い夢職」なんて言っていましたが、今はタダの無職です。
なぜ起業していないかと言うと、はじめはVRで体験した世界を、リアル世界で体験できるチケットを購入できる【VR版ECプラットフォーム】を構築すべく、テクノロジーの調査のため、渡米しました。
私は、小学高学年の時にイジメにあい、自分が存在する世界は学校の教室だけで、「この何にもなくてつまらない田舎から逃げ出したい!」と、ずっと思っていました。当時、私には、その勇気はありませんでしたが、もしVRで別のリアル世界を見せることで、私と同じように、今いる世界が息苦しくて悩んでいる子たちを、一歩、外の世界へ踏み出す後押しができれば、と準備をしていました。
ただ調査をする中で、VR事業については、
①多くの人に使ってもらうには、よりハード面(デバイス)の革新が必要
②収益化まで時間がかかり運用コストが膨大
③自分にはそこまでのプロジェクトを遂行できるリーダー力がない
という主に3点から、米国の滞在が終わる頃には、VRでの事業化は、ほぼ諦めていました。
ただ同時に、この渡米経験によって、日本のいいところ、悪いところを含めて、新しい気づきをたくさん得ることができました。
(2)再発見と地方の現状
渡米後、就職以来10数年ぶりに帰ってきた私の地元、静岡県湖西市周辺は、昔は何もないように思っていましたが、日々過ごすうちに、海や山などの大自然があり、とてもいい場所だと思うようになりました。浜松市まで行けば、買い物にも不便なく、美術館や博物館、小さい遊園地や温泉などのレジャー施設もあります。歩けばそこら中にホームレスがいて、ゴミが散乱していたサンフランシスコやロサンゼルスに比べて、清潔かつ安全で、私には、より魅力的なマチに見えました。
外の世界だけに目を向けるのではなく、視点を変えて良さを再発見することで、昔は嫌いだった場所が楽しくなることもあるんだな、と改めて気づかされました。
ただ一方で、高齢化は進み、隣町の浜松市の市街地でさえ、日中は閑散とし、より寂しさが増しているように感じたのも事実です。
しかも湖西市での暮らしには、クルマが欠かせません。私の家から最寄り駅までは徒歩30分。タクシーも常時、駅にいないため、市街地に飲みに行くにも交通面で準備が必要です。バスなどの公共交通機関やタクシーも少なく、スーパーでタクシー待ちのおばあちゃんの姿を見ると、とても切ない気持ちになります。年老いゆく両親や近所の方々をみて、このまま東京に戻ることはできませんでした。
アメリカで出会ったUberやLyftなどの配車アプリがあれば、安い金額で移動も楽にできるのにと、、、せめて公共交通機関を増やすには、利用者を増やさなければならない!!
(3)観光ビジネス!?
そこで着目したのが観光ビジネスです。観光客が増えれば、自ずと交通インフラも発展すると。しかも地方同士で国内旅行者を奪い合うのではなく、今後、世界的にも海外旅行者は益々増えるため、東京五輪や大阪万博の開催というチャンスにも恵まれた”今”を活かさない手はないと思いました。
そうやって新たなビジネスプランとして考えたのが、ロサンゼルスでみた観光プロモーションを模倣した訪日外国人向けの観光PRです。それをどうビジネス化しようか、ビジネスにする必要があるのか、と悩みながら活動していた時に出会ったのが、今回のGATEWAY Festival の委員長と副委員長でした。
(4)GATEWAY Festival に参加して
GATEWAY Festival の元は、地元では有名な100年近く続いた「弁天島海開き花火大会」が景気低迷の影響でなくなり、「それではダメだ!」と、地元の有志の方々が立ち上げた花火フェスです。
この弁天島の花火大会は、個人的にもとても楽しみにしていた夏のイベントでした。高校生の時は、この花火大会で誰とデートするだとか、初めてキスしたとか、アオハル世代定番の夏のデートイベントでした。その花火大会がなくなっていたことは、少々ショックでした。
でもそれ以上に、花火フェスとして、古いモノと新しいモノがMIXされたこんなステキな活動が知られていないなんて、もったいない!観光PRにもなるし「何かしたい」という気持ちと、しばらく地元を離れていたため、まだまだ地元のことを知らない私にとっては、地元のことを知るいいきっかけにもなると思い、はじめは安易な気持ちで参加しました。
ところが、いざフタをあけてみると、ボランティア活動だけあって、実行委員の数も少なく、かなりの少数精鋭!!
しかも昨年まであった市の補助金も継続期間満了によりなくなり、予算はマイナスからのスタート。さらには5年間やられた実行委員長は、経営する会社業務が多忙なため委員長から外れ、予算も体制もボロボロの状態。やることタスクに追われて日々ドタバタしています。
「ヤバいところに足を突っ込んでしまった!」と思ったものの、それでも続けられるのは、一緒に活動しているメンバーの愚直なまでに「実現したい!みんなに楽しんでもらいたい!!」という気持ちと、慣れないことに対しても直向きに1つ1つ取り組む姿は、仕事では感じることのできない心響くものがありました。そして協力の輪は、おかげさまで少しずつ広がっています。
さらに開催エリアは、普段、漁業が盛んなエリアですが、今年は不漁で少しだけ元気が無い状態です。それでもこのGATEWAY Festival を楽しみにしている地元の方々が多いことから、少しでも弁天島周辺が活気づくように、今は、自分がやれることは、やろうという気持ちです。
また浜松市は昔からブラジル人の方が多く住み、近年は他国の海外移住者も増えているものの、まだまだ日本人と外国人との間に、稀に差別を感じることがあります。以前のブログに書きましたが、私もロサンゼルスにいた時、人種差別に合い、とてもつらい経験をしました。だからそういう経験をさせたくない!その時は「音楽の力によって救われた」と書きましたが、このGATEWAY Festivalの花火と音楽の力によって、多様な人々が行き交うこの地で、みんながみんな生きやすい世界を実現できるよう、盛り上げていけたら、と思っています。
特に浜松市は、世界的な楽器メーカーの本社も多く、音楽産業も盛んな都市です。音楽は言葉よりもはやく、多くの人たちに一体感を醸成してくれます。今年も会場内にはテーマが異なる音楽ブースを3つ用意する予定です。
私は、このGATEWAY Festival によって地元のみなさんに元気になってもらい、観光資源として弁天島エリアが再注目されるだけでなく、多様な人々が行き交い1つになれる場所としてのフェスを目指しています!
GATEWAY Festival は、一日限りの賑やかしでしかないかもしれませんが、一日だけでも非日常を体感していただき、みんなで楽しく過ごせたらという気持ちです。そして、そこから何か新しいものが生み出せたら、、、!!
そして今、このGATEWAY Festival が1つになる象徴として、グランドフィナーレを飾るスターマイン花火のクラウドファンディングを、7/18まで実施しています。もしご協力いただける方がいましたら、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いします!!